2020年7月24日(祝)に配信した「本とこラジオ」スペシャル回、テーマは「100年後に遺したいマンガ」。

電話でおつなぎしたゲストたちのおすすめはもちろん、リスナーのみなさんからもイチオシの一冊を投稿いただきました。時間がたりなくなってしまい、すべてを紹介できなかったので、こちらに転載させていただきます。

ドラえもん 藤子不二雄
うちは漫画禁止の家だったので、小学生の頃は貸本屋さんで借りてこそっと読んでいましたが、中学の入学祝いにもらった図書券で、当時発売されていた30数巻一気買いして、部屋の棚の奥に隠して読み耽っていました。
わたしに思いつきや発想力があるとするならば、そのほとんどは実のところある時点までの( 40巻くらいまで)『ドラえもん』のパクりじゃないかと思うほど、すべてのエピソードが身体に染み込んでいるような気がします。
(兵庫県/あおちゃん)
はだしのゲン 中沢啓治
今は学校の図書館にもあまり置かないようですが、私はこのマンガで戦争を学びました
(大阪府/パンタさん)
バガボンド 井上雄彦
剣豪宮本武蔵を描いた作品バガボンド。腕っぷしの強さを追い求めていく中で、生活者としての強さが重なっていく所が感慨深くて好きです。
まさに今、もう一度読み返したい。
読みはじめた頃はずっと、「馬鹿ボンド 」だと思っていました。
(岡山県/ほがらかさん)
ばらかもん ヨシノサツキ
五島列島のある島での暮らしを始めた都会育ちの書道家と島の人の物語。
天真爛漫で素直な小学生「なる」の言動が純真で素直で感情移入を誘う。
一冊読み終わる間に、爆笑と涙が溢れるため人前では読めません。読んでいるところを中学生の子供に見られて気持ち悪がられること多数。今は薦めても読まないが、いつかは手にとって欲しい本です。
(岡山県/ほがらかさん)
マッチ一本の話 鈴木翁二
心があったかくなるような、さびしくなるような短編作品。自分の世代に描かれた作品ではないけれど、なぜか懐かしい気持ちになる。誰かに会いたくもなるし、ひとりで旅にも出かけたくなる。私が持っている単行本は、群青色のインクで印刷されていて、それがまた夜空や月の絵が素敵に見える。
こどものころは、さくらももこや岡田あーみんなどギャグマンガが好きで読んでいたけど、18才くらいにつげ義春に出会って、それから60年代のマンガを知るようになり、鈴木翁二が好きになった。こんなマンガもあるんだ!と。
知ってもらいたくて、友人にこのマンガを貸したら、「絵も内容も寂しくて読めなかった…ごめん」と言われたのが忘れられないです。それくらい心がざわざわするマンガだと思う。
(ミクさん)
グヤバノ・ホリデー panpanya
僕が100年後も残したい、というか100年後になっても物好きな人たちに読まれて欲しい…かな? と思うマンガがあります。panpanyaさんというマンガ家の「グヤバノ・ホリデー」という短編集です。ジャンルは珍作です(笑)
このマンガは一年ぐらい前に大阪、島本町のウルトラミラクル本屋、長谷川書店さんで平積みに置かれているのを発見し、試しに買って読んだら、まあ変なノリのマンガだなと(笑)
それでも内容が気になって、何回も繰り返して読むとこのマンガには日々の生活の中での模索や探求、街を観察し自分なりに楽しむこと、テストや宿題を楽にやり過ごしたい願望とか(テスト・勉強系の話が時々出てきます)面白ポイントがいくつかあるんだなと。あと、話の展開が全然予想できない。みうらじゅん、赤瀬川原平的な方向性、こだわりを感じるマンガです。100年後も誰かがこっそり読んで「このマンガの作者はちょっと…すごい方向に行ってるね」とか思って欲しいマンガです。
(兵庫県/さすらいのアリクイさん)
ガラスの仮面 美内すずえ
書ききれません!
1巻でハマった人は鳥かごから小鳥を取り出すパントマイムを一度はやったはずです。はい、いいえ、ありがとう、ごめんなさい…だけでマヤと亜弓さんが小芝居する回…2人のたけくらべ…真澄さまの生い立ち…。ね、書ききれないでしょう?笑
(大阪府/まむちんさん)
永遠の野原 逢坂みえこ
地方から関西の大学に入った、1980年代。当時の関西を舞台にしたマンガで、馴染み始めた地名が出てきて、「あそこのコトね」なんて思いながら読みました。関西を舞台に、というのは珍しかったです。すでに社会人でありながら、少し下の世代の登場人物を追いかけながら、こんな恋や青春を送りたかったなあ、とも思い読みました。本を一気に大人買いできたのもの、この頃から。思い出深いマンガです。同時代の空気感を描いていると思います。
(兵庫県/とくちゃん)
追伸 -―二人の手紙物語 森雅之
時代がどんどん便利になっていっても、紙にインクで認められた手紙や本など、手に触れて、読める物語はこれからも大切にしていきたいです。
追伸 この漫画と出会えたから、何とか本の世界に関わっていきたいと思えました。
(奈良県/棚音文庫さん)
銀河の死なない子供たちへ 施川ユウキ
終末世界を生きる不死の姉弟と彼女たちと生活を共にする人間の少女の物語。死なない姉弟といつかは死ぬ人間の眼を通して「死ぬこと」を考えることで、暗転した部分の「生きること」を浮き上がらせているようで、読後はすごいものを読んだなという感動がありました。ゆるい画と雰囲気で大切なことをシンプルな言葉でサラリと言わせていて、マンガだから可能な表現だなと思います。
(兵庫県/コサージュさん)
蟲師 漆原友紀
未知のウイルスとの共存がテーマの今、《蟲師》の世界を考えてます。
蟲師・ギンコは、力で蟲を押さえ込むことなく、お互いのダメージを最小限にする住み分けを目指しているように感じています。
異物を排除しようとするムラ社会や古くさい伝統に縛られる人たちも多く登場して、つらくなり勝ちなテーマなのに、イヤな気分が残らないところもいい。
連休中に読みなおそうと思ってます。
(大阪府/nabeさん)

さてさて、13人のゲストたちはどんなマンガを選んだのか、まだ聞いていない方はぜひ録音版もあわせてお聞きください!!

本とこラジオ #014 スペシャル「100年後に遺したいマンガ」
https://www.youtube.com/watch?v=P8ZKfpn1iOc

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